4月20日、第4回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」が開催され、精神障害の労災認定基準改正の報告書案を公開した。

その中では、パワハラに関して、業務による心理的負荷評価表に係る具体的出来事等への追加や修正、業務による心理的負荷評価表の修正等が報告された。

一部、下記に転載にてご紹介いたします。

 

新設する「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」は、これまで、具体的出来事「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」において評価されていたことに加え、過去の支給決定事例からみても、同出来事における平均的な心理的負荷の強度と同様に評価することが妥当であると考えられることから、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」の具体的な出来事に係る平均的な心理的負荷の強度は、「Ⅲ」とすることが相当である。

 

「上司等」には、必ずしも職務上の地位が上位の者だけでなく、例えば、職歴の長い者も含み得るものであり、同僚又は部下であっても、業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合、同僚又は部下からの集団による行為でこれに抵抗又は拒絶することが困難である場合等も含むことを明記しておく必要がある。

〇心理的負荷が「強」となる具体例
・ 上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合
・ 上司等から、暴行等の身体的攻撃を繰り返し受けた場合
・ 上司等による下記のような精神的攻撃が執拗に行われた場合
 人格や人間性を否定するような、業務上必要性がない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃
 必要以上の長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責など、社会通念に照らしてその態様が相当でない精神的攻撃
上司等により、心理的負荷としては「中」程度の身体的攻撃・精神的攻撃が行われた場合であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合

 

「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」は、引き続き、心理的負荷評価表の具体的出来事とすることが適当である。ただし、過去の支給決定事例では、優越性のない同僚間の暴行のほか、嫌がらせ、いじめなど様々な行為態様が認められるところ、このうち、「パワーハラスメント」に該当するものを除けば、同僚等からの「暴行」によるものが最も多く、次いで、人格や人間性を否定するような「いじめ」が多いことから、当該具体的出来事の名称は、「同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」とすることが適当である。

修正後の「同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」の平均的な心理的負荷の強度は、「Ⅲ」とすることが適当である。

○心理的負荷が「強」と判断する具体例
・ 同僚等から治療を要する程度の暴行等を受けた場合
・ 同僚等から暴行等を繰り返し受けた場合
・ 同僚等による人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた場合
同僚等から心理的負荷としては「中」程度の暴行又はいじめ・嫌がらせを受けた場合であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合

詳細は下記サイトをご参照ください。

 

■精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(案)

https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000623092.pdf

■業務による心理的負荷評価表における具体的出来事等(現行/改正対比表)

https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000623093.pdf

■業務による心理的負荷評価表(抜粋)(改正抜粋)

https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000623094.pdf

第4回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10930.html