公益財団法人日本生産性本部は、「第 16 回 日本的雇用・人事の変容に関する調査」結果概要を公表した。
同一労働同一賃金対策を検討している企業には、非常に参考になる内容となっている。
主な点は下記の通り。
■在宅勤務制度(37.3%)、テレワーク制度(21.6%)の導入率が高まる
働き方の見直しにつながると思われる施策の導入率については、「ノー残業デー(ウィーク)設定」が最も高く67.6%。次いで、「フレックスタイム制度」(53.9%)となっている。また、「在宅勤務制度」の導入率は 37.3%と前回調査時(2016 年)の 18.8%から約 2 倍に伸びている。また、在宅勤務制度以外のテレワーク制度を採り入れている企業も 21.6%(前回調査 8.3%)と増加している。
■働き⽅の⾒直しにつながる施策における 施策導⼊率と生産性向上効果の関係
導入率が高く生産性向上効果も高いのは「ノー残業デー(ウィーク)設定」や「フレックスタイム制度」となっている。逆に、「企画業務型裁量労働制」や「専門業務型裁量労働制」、「朝型勤務(始業時間繰上げ)」は、導入率も低く生産性向上効果は低くなっている。
■役割・職務給導入が進む、管理職層で 78.5%、非管理職層で 57.8%
本調査では経年的に賃金体系の内訳を調査しているが、仕事や役割の重さを反映した給与(役割・職務給)の導入が進んでおり、管理職層で 78.5%、非管理職層で 57.8%とそれぞれ前回調査を上回っている。
■同⼀労働同⼀賃⾦への取り組み
「同一条件に応じて支給される手当(通勤手当等)」では、対応が進んでおり、「すでに対応している」という企業は 6 割強(61.5%)を占めている。
■65 歳定年延長企業が徐々に増加して 10.8%(2016 年調査では 5.3%)
60 歳以降の雇用確保措置としては、「再雇用制度のみで対応(定年は 60 歳)」という企業が 75.5%と大多数を占めている。その一方で、65 歳以上に定年年齢を引き上げたという企業は、前回調査では 5.3%だったのに対して、今回の調査では 10.8%と増加している。
■「第 16 回 日本的雇用・人事の変容に関する調査」結果概要 -公益財団法人日本生産性本部
https://activity.jpc-net.jp/detail/esr/activity001561/attached.pdf