令和2年度「過労死等の労災補償状況」を公表します

 厚生労働省は、令和2年度の「過労死等の労災補償状況」を取りまとめましたので公表します。

厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数などを、平成14年以降年1回、取りまとめています。

■ポイント

● 過労死等に関する請求件数

 2,835件(前年度比161件の減少)

● 支給決定件数

 802件(前年度比77件の増加)

 うち死亡(自殺未遂を含む)件数:148件(前年度比26件の減少)

 

■脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況

・支給決定件数は194件で前年度比22件の減となり、うち死亡件数は前年度比19件減の67件であった。

・年齢別では、請求件数は「50~59歳」264件、「60歳以上」261件、「40~49歳」204件の順で多く、支給決定件数は「50~59歳」65件、「40~49歳」64件、「60歳以上」44件の順に多い。

・時間外労働時間別(1か月または2~6か月における1か月平均)支給決定件数は、「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」27件が最も多い。また、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「80時間以上~100時間未満」75件が最も多い。

 

■精神障害に関する事案の労災補償状況

・支給決定件数は608件で前年度比99件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比7件減の81件であった。

・年齢別では、請求件数は「40~49歳」597件、「30~39歳」490件、「20~29歳」448件の順で多く、支給決定件数は「40~49歳」174件、「30~39歳」169件、「20~29歳」132件の順に多い。

・時間外労働時間別(1か月平均)支給決定件数は「20時間未満」が68件で最も多く、次いで「100時間以上~120時間未満」が56件であった。

・出来事別の支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」99件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」83件、「同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」71件の順に多い。

 

■裁量労働制対象者に関する労災補償状況

・令和2年度の裁量労働制対象者に関する脳・心臓疾患の支給決定件数は1件で、専門業務型裁量労働制対象者に関する支給決定であった。また、精神障害の支給決定件数は6件で、すべて専門業務型裁量労働制対象者に関する支給決定であった。

 

※ 新型コロナウイルス感染症に関連する(*)精神障害の支給決定件数は7件で、脳・心臓疾患の支給決定件数はなかった。
*請求人が業務で新型コロナウイルス感染症に関連する出来事などがあったと申し立てたもの。

 

詳細は別添資料をご覧ください。

 

(出所)厚労省HP 令和2年度「過労死等の労災補償状況」を公表します

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19299.html?fbclid=IwAR0EOmffitDdKcIl1mbqMerlHy6aT1njxmJqRoISpf-FVNzqpwd-Z76-kw4