労働基準法第115条に規定する賃金請求権の消滅時効期間については、労基法制定時より、民法に規定する使用人の給料に係る1年の短期消滅時効の特則として、2年間(※)行わない場合は時効によって消滅するとされています。(※)退職手当については、昭和62年の労基法改正により、消滅時効期間は5年とされています。
これは、労働者にとって重要な債権の消滅時効が1年ではその保護に欠ける一方、民法の10年では使用者に酷にすぎ、取引安全に及ぼす影響も少なくないということを踏まえ、当時の工場法の災害扶助の消滅時効に倣い2年としたものです。

今般、民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)により、民法の短期消滅時効が廃止され、一般債権については、①権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から5年間、②権利を行使できる時(客観的起算点)から10年間行使しないとき消滅するとされたことを踏まえ、労基法の賃金等請求権の在り方についての検討が必要とされています。

また同様に賃金請求権の消滅時効の起算点について、年次有給休暇の請求権の消滅時効期間について、その他についても検討が必要とされています。

上記について、厚労省では「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」を開催し議論しています。

まだ検討途中の段階ですが、検討会の議論を今後チェック定期的チェックしておく必要があります。

詳細は下記サイトをご参照ください。

 

■賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会ー厚労省

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou_503103.html