戸籍上は男性だが女性として生活している、性同一性障害の50代の経済産業省職員における、職場内での女性トイレの使用制限における争いの最高裁判決が7月11日に出されることとなりました。

自分の部署がある階の女性トイレの使用が認められず、2階以上離れたトイレを使用するよう制限されているのは不当な差別として国を訴えている件です。


1審東京地裁では、トイレの使用制限は、自認する性別に即した社会生活を送るという重要な法的利益を制約しているとし、使用制限を違法とし、原告側が勝訴しました。

2審東京高裁では、使用制限は他の職員の性的羞恥心や不安などを考慮し、全職員に対して適切な職場環境をつくる責任を果たすための対応だったと判断しました。当時、原告のようなケースに対応する指針や参考事例がなく、使用制限は不合理といえないとし違法性を否定し、原告側が敗訴しました。

原告側が上告し、今回の上告審(最高裁)は、使用制限の違法性の有無が判断されます。

この度、最高裁は双方の主張を聞く弁論を6月16日に開くことを決めており、弁論は判決を変更する際に必要な手続きで、2審判決が見直される可能性が出てきました。

7月11日の判決が注目されます。