厚生労働省は「第6回今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」で、「令和4年度 仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業」の企業調査と労働者調査の結果を公表しました。内容のデータは非常に有用なものですので、ぜひご参照ください。
また、「こども・子育て政策の強化について(試案)」を公表し、今後の雇用保険育児休業継続給付の改定試案内容等も公表しています。
下記に一部抜粋して掲載いたします。
〇 また、次世代育成支援対策推進法の事業主行動計画に男性の育休取得を含めた育児参加や育休からの円滑な職場復帰支援、育児のための時間帯や勤務地への配慮等に関する目標・行動を義務付けるとともに、育児・介護休業法における育児休業取得率の開示制度の拡充を検討する。
〇 さらに給付面の対応として、いわゆる「産後パパ育休」(最大 28 日間)を念頭に、出生後一定期間内に両親ともに育児休業を取得することを促進するため、給付率を現行の67%(手取りで 8 割相当)から、8 割程度(手取りで 10 割相当)へと引き上げる。
〇 具体的には、両親ともに育児休業を取得することを促進するため、男性が一定期間以上の「産後パパ育休」を取得した場合には、その期間の給付率を引き上げるとともに、女性の産休後の育休取得について 28 日間(産後パパ育休期間と同じ期間)を限度に給付率を引き上げる。
〇 男女ともに、職場への気兼ねなく育休を取得できるようにするため、現行の育児休業期間中の社会保険料の免除措置及び育休給付の非課税措置に加えて、周囲の社員への応援手当など育休を支える体制整備を行う中小企業に対する助成措置を大幅に強化する。
〇 育児期を通じて多様な働き方を組み合わせることで、男女で育児・家事を分担しつつ、育児期の男女がともに希望に応じてキャリア形成との両立を可能とする仕組みを構築する。このため、好事例の紹介等の取組を進めるとともに、育児・介護休業法において、こどもが3歳以降小学校就学前までの場合において、短時間勤務、テレワーク、出社・退社時刻の調整、休暇など柔軟な働き方を職場に導入するための制度を検討する。
〇 あわせて、柔軟な働き方として、男女ともに、短時間勤務をしても手取りが変わることなく育児・家事を分担できるよう、こどもが2歳未満の期間に、時短勤務を選択した場合の給付を創設する。その際、現状の根強い固定的性別役割分担意識の下で、女性のみが時短勤務を選択することで男女間のキャリア形成に差が生じることにならないよう、男女で育児・家事を分担するとの観点も踏まえて、給付水準等の具体的な検討を進める。
〇 上記の柔軟な働き方についても、男性育休促進と同様に、周囲の社員への応援手当支給等の体制整備を行う中小企業に対する助成措置の大幅な強化とあわせて推進する。また、こうした支援に際しては、企業における育児休業制度への取組状況を勘案するなど、実施インセンティブの強化を図る。
〇 また、こどもが病気の際などに休みにくい等の問題を踏まえ、病児保育の拡充とあわせて、こうした場合に休みやすい環境整備を検討する。具体的には、こどもが就学前の場合に年5日間取得が認められる「子の看護休暇」について、こどもの世話を適切に行えるようにする観点から、対象となるこどもの年齢や休暇取得事由の範囲などについて検討する。
〇 子育て期における仕事と育児の両立支援を進め、多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットを構築する観点から、現在、雇用保険が適用されていない週所定労働時間 20 時間未満の労働者についても失業手当や育児休業給付等を受給できるよう、雇用保険の適用拡大に向けた検討を進める。
〇 自営業・フリーランス等の国民年金の第1号被保険者について、被用者保険の取扱いも踏まえながら、現行の産前・産後期間の保険料免除制度に加えて、育児期間に係る保険料免除措置の創設に向けた検討を進める。
詳細は下記資料よりご参照ください。
(資料)令和4年度 仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 企業調査結果概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001086989.pdf
(資料)令和4年度 仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 労働者調査結果概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001086990.pdf
(資料)こども・子育て政策の強化について(試案)~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~
※p14-16が上記一部抜粋部分の出所です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001086993.pdf
(出所)厚生労働省HP「第6回今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32611.html