独立行政法人 労働政策研究・研修機構は、5月16日、「「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」(企業郵送調査)及び「働き方に関するアンケート調査」(労働者 Web 調査)結果」を公表しました。

2022 年 10 月~の適用拡大は「できるだけ、適用する」方針で調整した企業が半数超で、厚生年金・健康保険に新たに加入した短時間労働者の割合は、適用を回避した割合を上回った結果となりました。

主なポイントを下記に抜粋しています。


◆2022 年 10 月より適用拡大対象となった企業の対応状況
2022 年 10 月より適用拡大対象となった企業で、要件を満たす短時間労働者(対象者)が「いる」場合(n=630 社)に、新たに厚生年金・健康保険が適用されるのに伴い、対象者と概ねどのような方針で調整を行ったか尋ねると、「できるだけ、適用する」が 55.1%、「どちらかといえば、適用する」が 7.6%で、「中立(短時間労働者の意向にまかせる)」が 34.3%等となった。

◆2024 年 10 月より適用拡大対象となる企業の対応意向
2024 年 10 月より適用拡大される見通しとなっている企業で、要件を満たす短時間労働者(対象者)が「いる」場合(n=540 社)に、新たに厚生年金・健康保険が適用されるのに伴い、対象者と概ねどのような方針で調整を行うか尋ねると、「できるだけ、適用する」が 28.1%、「どちらかといえば、適用する」が 12.0%で、「中立(短時間労働者の意向にまかせる)」が 22.4%等となった。

◆適用拡大に伴う働き方や厚生年金・健康保険の適用状況の変化
2022 年 10 月より適用拡大対象となった企業に勤務する短時間労働者(n=1,163 人)を対象に、自身の働き方や社会保険の適用状況の変化について尋ねると、「厚生年金・健康保険が適用されるよう、かつ手取り収入が増える(維持できる)よう、所定労働時間を延長した(してもらった)」(6.4%)と「所定労働時間はそのまま、厚生年金・健康保険が適用された」(14.5%)が合わせて 21.0%に対し、「厚生年金・健康保険が適用されないよう、所定労働時間を短縮した(してもらった)」は 12.0%等で、「厚生年金・健康保険は適用されておらず、働き方にも変化はないが、今後については検討している」が 21.0%等となった。

なお、適用拡大前の社会保険(年金)の加入状況別にみると、第 1 号被保険者(n=511 人)では「厚生年金・健康保険が適用されるよう、かつ手取り収入が増える(維持できる)よう、所定労働時間を延長した(してもらった)」と「所定労働時間はそのまま、厚生年金・健康保険が適用された」が合わせて 23.7%に対し、「厚生年金・健康保険が適用されないよう、所定労働時間を短縮した(してもらった)」が 6.8%となったが、第 3 号被保険者(n=417 人)では同順に 19.2%、17.7%となっている。


詳細は、下記、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が公表している資料をご参照ください。



(出所)独立行政法人 労働政策研究・研修機構

https://www.jil.go.jp/press/documents/20230516.pdf?mm=1868