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2011.6.13                       Since 2011

~ 転ばぬ先の労務管理メルマガ~

淀川労務協会 “実録”
労務 虎の巻  第2号

毎月1回配信
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Point1.『関西最大級の規模』

Point2.『業界最高水準の解決力』

Point3.『50年の実績と信頼 ~労務に一途~』

“本当の人事労務力”を貴社に提供する労務管理のリーディングオフィス

― 淀川労務協会 -  です。

https://yodogawaroukyou.gr.jp/

このメールマガジンでは、私どもがこれまで顧問サービスとしてご提供し
てきた人事・労務・社会保険等に関する事例や情報の中から、特に皆様に
知って頂きたい事例を毎回2ケース厳選しご紹介させて頂いております。

――――目次―――――――――――――――――――――――――――

【ケースNo.3】 [ 賃金 ] 自転車通勤の奨励金は残業代の計算基礎に含まれるか?

【ケースNo.4】 [採用促進] 社員紹介報奨金制度を実施する際の注意点

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【ケースNo.3】

昨今の健康志向や災害等の非常時対策の為、自転車通勤者が急増しています。
これに鑑み、当社では公共交通機関を利用せずに自転車通勤を行う者に対して
奨励金として月額1,500円を支給することを検討しています。
この奨励金は残業代を計算する際の基礎に含める必要はありますか?

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労働基準法施行規則第21条に残業代の計算基礎から除外することが出来る賃金が定
められてますが、その中の1つに「通勤手当」があります。

この「通勤手当」はあくまで自宅から就業場所への移動という必要性に基づく「実費支
給」が原則であり、全労働者に対しその通勤距離や交通費実費にかかわらず一律に支払
われるような場合には,ここでいう通勤手当には該当せず、残業代の計算基礎に含めな
ければなりません。

今回のケースで問題となるのは、自転車通勤者に「実費」が生じないという事です。

残念ながら法令や行政通達ではこのようなケースに対して具体的に定義するものはあり
ませんので、原則は「含める」という事にはなりますが、以下のような要件が整えば福利
厚生的な支給として残業代計算基礎からの除外が認められるケースもあるものと考えます。

① 奨励金の額が少額であること。(少なくとも同じ距離を公共交通機関で移動した場
合に生じる通勤費実費を超えないこと)

② 公共交通機関を利用し実際に同程度の距離を通勤している者もいること

③ 支給額が距離別に段階設定されていること

※ 全て整う必要があるという訳ではなく、総合的に判断されるという事です。

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【ケースNo.4】

採用活動において思うように人材を獲得できないため、社員が友人や知人を会社に紹介
し入社に至った場合に紹介した社員にインセンティブを支払う制度の新設を考えています。
労務面で何か注意しなければならないことはありませんか?

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このケースで最も問題となるのは職業安定法違反です。

職業安定法第40条では、「労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集
に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う
場合又は第36条第2項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならな
い」と定められています。

これは、言い換えれば「採用担当者にその成果の対価として賃金支給する分には問題な
い」ということです。

具体的に述べますと、たとえば住宅販売会社の営業マンが契約件数に応じてインセン
ティブを受けるケースは良くある事ですが、これは営業マンに求められる「住宅を売
る」という職務における成果への対価として支払われるものとして手当の合理性が確保
されています。

一方、人材の採用活動は基本的に「人事部」に属するものであり、人事部以外の者に対
してこのインセンティブを「職務における成果報酬」とするためには職務分掌規程や賃
金規程において採用活動が課せられる労働者の範囲を人事部を超えて明確に定義し、そ
れをキチンと当該従業員にアナウンスすることが必要という事です。

他には、休日等の勧誘活動が労働時間と看做される可能性が高いため、このあたりの
ルール(接待費なども)を取り決めておくことにもご留意ください。

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☆本件についてのお問い合わせは淀川労務協会コンサルティング業務部門
までお願いします。
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