加藤厚生労働大臣は、4月7日記者会見で、小学校休業等の対応助成金・支給金及び雇用調整助成金における風俗関連事業者の取り扱いについて、及び、緊急事態宣言により都道府県知事から施設の使用制限等が行われた際の労基法26条における休業手当の支払い義務について回答しました。

ぜひご参照ください。

 

(4月7日 加藤大臣会見概要 -厚生労働省 より一部転載)

記者:2点お尋ねします。まず、新型コロナウイルスの影響で学校が休校した場合の保護者向け助成金・支援金について、風俗業の関係者が現状支給の対象外となっておりますが、政府内で見直しを検討する話があります。見直しの状況と今後の方向性について教えてください。続けて2点目が、労働基準法の休業手当についてです。新型コロナウイルスに対応した特別措置法に基づく緊急事態宣言を受けて、企業が従業員を休業させた場合には、企業が休業手当を支払わなくても違法にならないのでしょうか。見解をお願いします。

 

大臣:まず1点目の小学校休業等の対応助成金・支給金の件ですが、これまでは雇用関係助成金と同様の支給要件に、いわば準ずるという形で整理がなされておりました。そういった中で風俗営業の関係者は対象にならないという対応でありました。しかし、今回新型コロナウイルス感染症はこれだけ急激に拡大をし、それへの対応が強く求められているということ、また学校休業というものはさらに、こうした緊急事態宣言の中で幅広くなされようとしていること、そうしたことを踏まえ、個別の助成金の趣旨、目的の観点から支給対象は再度検討すべきであるということで、検討をしてまいりました。その結果、小学校休業等対応助成金及び委託を受けて個人で仕事をする在職者、いわゆるフリーランスで仕事をする方に対する支援金については、接待飲食業に従事する方など、自粛要請により、より厳しい環境にある方について、子どもの健康と安全を確保していく必要もあります。また、保護者の生活の支援をしていく必要もあります。それを含めて、今回風俗関連事業者を対象とするということにしたいと思います。また併せて、雇用調整助成金についても同じような対応がなされてまいりましたが、働く方々の生活の支援を行っていく、こうした厳しい環境の中で、そういったことを踏まえて、雇用調整助成金についても風俗関連事業者を対象外にするということではなく含めて、対象とするということにしていくという風に考えております。

 

それから、2点目のいわゆる休業手当の支給に係る話であります。労働基準法第26条では、使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は休業期間中の当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなくてはならないという規定があります。この場合の使用者の責に帰すべき事由というものをどう捉えるか、という話だと思います。これについては、今回の緊急事態宣言がなされる、そのことでそれぞれの特定の都道府県知事から施設の使用の制限等、そういったことが行われた場合にどうなるのか、ということでありますけれども、そうしたことがなされたからといって一律に今申し上げた休業手当の支払義務がなくなるものではないということ、これは国会でもこれまでも申し上げてきたことです。そもそも労働基準法に基づく休業手当の支払いの要件については、使用者の不可抗力によるものなのかということがポイントになります。その中に大きく2つあるんだろうと思います。その原因が事業の外部より発生したものである、2点目として事業主が通常の経営者として最大限の注意を尽くしてもなお避けることができない事態、そしてそういった意味においては、例えば自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能かどうか、あるいは労働者に他に就かせることの業務が当該企業あるいは事業主にあるのかどうか、こういったことも含めて、総合的に判断をする必要があるということであります。従って、宣言がなされ、個々の施設の使用自粛がなされたからといって、直ちに一律に休業手当を支払わなくても良いということにはならないということであります。本件については、これまでのQ&Aでも基本的考え方はお示しをし、国会でも答弁したところでありますけれども、今般の非常事態宣言、またその中で施設の使用自粛等がなされていること等を想定して、Q&Aを直ちに作って皆さんにお示しをさせていただきたいという風に考えています。また、そうした事業の休止などを余儀なくされた場合について、働く方を休業させるときにおいては、まず労使が話し合っていただき、そして労働者の不利益を回避し、こういう努力をぜひお願いをしたいという風に思います。また重ねて、私からも経済界の皆さんにもその点を含めてお願いをしたいという風に思います。

 

■4月7日 加藤大臣会見概要 -厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00231.html