業務部の三浦です。


先週も広島まで労働局のあっせんで出向いてまいりましたが、使用者側代理人として関与していると、しばしば感じることがあります。

それは、法律論だけで解決する事案は少ないということです。

もちろん、法的な整理は欠かせません。

会社の対応に問題がなかったことや、請求に法的根拠がないことを説明する場面もあります。

しかし、あっせんは裁判ではなく、あくまで話し合いによる解決を目指す制度です。

実際には、申立人が求めているものが必ずしも金銭だけとは限りません。

「自分の話を聞いてほしい」「会社に理解してほしい」「納得できる説明がほしい」といった思いが背景にあることも少なくありません。

そのため、法律論としては反論できる内容であっても、まずは相手の主張や感情を丁寧に受け止めることが結果的に解決への近道になる場合があります。

また、あっせん委員も法律上の勝敗を判断する立場ではなく、双方が合意できる可能性を探っています。

そのため、代理人としては自らの主張を一方的に展開するのではなく、あっせん委員が何を問題視しているのか、どのような着地点を考えているのかを意識したコミュニケーションを大事にすることも重要です。

もちろん、不合理な要求まで受け入れる必要はありません。

しかし、法的な正当性を主張することと、和解を目指すことは必ずしも同じではありません。

あっせんの場では、「何が正しいか」だけでなく、「どうすればこの紛争を終わらせられるか」という視点も求められます。

法律の知識は当然として、それに加えて相手の受け止め方や場の流れを意識すること。その積み重ねが、あっせんという制度の本質なのではないかと感じています。