総務部の長尾です。
4月になり、寒さのゆるみと共に、スーパーには春の味覚がたくさん並んでいます。
春を代表する食べ物として、イチゴ、たけのこ、春キャベツなどが挙げられますが、関西、特に阪神・淡路地区ではイカナゴの釘煮を思い浮かべる方も多いのではないかと思います。
イカナゴの釘煮とは、イカナゴの幼魚を醤油やみりん・砂糖・生姜などで煮込んだ佃煮の一種です。
なぜ「釘」煮なのかというと、炊き上がったイカナゴは茶色く曲がった形になり、その姿が錆びた釘に見えるため「釘煮」と呼ぶようになったとする説が有力とされています。
阪神・淡路地区の家庭では広く親しまれている郷土料理で、毎年イカナゴを何キロも炊き、親戚や近所の人に配って回るという方も多いです。
しかし、2017年ごろからこのイカナゴの漁獲量が激減しており、大阪湾での今年の漁はたった3日で終了してしまいました。
市場に出回る量も少ない上に高価で、近所のスーパーでも今までの2~3倍の値段で販売されていました。
毎年3月上旬になると、住宅街を歩くとあちこちの家からイカナゴを炊く甘い香りが漂ってくるのですが、
今年はその香りもあまり感じられなかったように思います。
春の風物詩とも言えるイカナゴの釘煮なので、近年の不漁はとても残念です。
来年こそ美味しいイカナゴにありつけるよう、期待して待ちたいと思います。