淀川労務協会 業務部の下村です。

4月に入り、従前から検討されていた労働法令の改正の動きも活発になってきました。

大きい物で言えば、高年齢者雇用安定法の改正、労働契約法の改正、派遣法の改正・・・・。

年金支給開始年齢の段階的65歳化に応じて、支給開始年齢までは再雇用に現行の労使協定による基準を使えなくなったり、有期契約の従業員が5年を超えて働くと、本人の申出により従来と同条件で期限の定めのない雇用契約で雇用しなくてはいけなくなったり、30日以内の登録型派遣や、日々派遣も受け入れられなくなる等が検討されており、次年度以降に施行され、経営にも大きな影響が予想されています。

色々な考え方があり、労働者保護の面でいい制度と考えることもできるでしょうし、逆に若年者の就職にしわ寄せが懸念されたり、雇用形態の選択が狭まったりと労働者にとっても本当にいいのだろうかとも考えられます。

まだ法案の詳細はわかりませんが、経営側から考えると、負担の増加や、柔軟な労働力の活用という点で”後退”という面が懸念されます。

労使の力関係で、どうしても労働者の方が弱くなる傾向があり、そこで国が労働者保護の観点から政策を検討することについては本来の機能であるとは思います。しかし、労働者保護の面は不十分なところもまだまだ多いかもしれませんが、かなり整備されてきていると感じます。その反面、長く続く不況等により経営側も決して「強い」立場と考えることはできなくなっており、ある面から考えると「労働者」の方が強い場合もあるのではないでしょうか。

もう少し、経営側の意見、経営がやりやすいように、激変する環境に対応できるような政策づくりを労働法令でも願いたいものです。

そして、社内だけでも、”労使の力関係なく”、今後の激変する経営環境をどう乗り切っていくのかを(処遇なども含めて)一緒になって危機感を共有して考えていって頂きたいと切に想います。