業務部の下村です。
近頃は朝晩が過ごしやすくなり、季節は秋に入っていますが、気候も少し秋めきはじめました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
政治の世界では、昨日新しい自民党総裁に菅官房長官が選出され、明日衆参本会議にて第99代内閣総理大臣に就任されるとのことです。
先月の終わりに、安倍首相の辞任会見がありました。
私はそれを聞いていると、なんだか泣きそうになりました。
安倍首相・政権の評価がどうかとか、好きとか嫌いかとかではなく、辞任会見で話している安倍首相を見て、ただ単純にそういう感情が湧いてきました。
その時、旧帝国海軍連合艦隊司令長官の山本五十六氏の『男の修行』を思い出しました。
苦しいこともあるだろう。
云いたいこともあるだろう。
不満なこともあるだろう。
腹の立つこともあるだろう。
泣きたいこともあるだろう。
これらをじっとこらえてゆくのが男の修行である。
色々な意見はあり、批判される立場、
中には人の気持ちを配慮できない批判もありました。
弱い人は復讐する
強い人は許す
賢い人は無視する
― アインシュタイン
7年8か月、その長さがいいとか悪いとかではなく、内閣総理大臣という激務、様々な批判も受ける立場をこれほど長い間遂行するには、「心が乱されない」ことが非常に大事なことと感じました。
そのためには、自分の判断や行動に自信をもつこと。正しいと思えること。内省はしても後悔はしないこと。
自分の意思を主軸とすること。
それにより、自分自身のペースを大事にし、相手も尊重できる、思いやれるということ。
それを「孤独力」とも呼ぶそうです。
孤独を理解し、特別のものと思わず、孤独に強くなり、孤独を楽しめるようになる。
決して一人ぼっち、人と関わらないという意味ではありません。
自分が独立する。
そうなって、初めて自分というもの、心が乱されない穏やかな状態を確立できるんだろうと思います。それで人に優しくなれる。人を思いやれる。
― 独立自尊
「心身の独立を全うし、自らのその身を尊重して人たるの品位を辱めざるもの、之を独立自尊の人と云う」。
自他の尊厳を守り、何事も自分の判断・責任のもとに行うことを意味する、慶應義塾の基本精神です。
和と独立。
人と周囲と協調していくが、むやみに無責任に同調しない。
それは人に関心がないのではなく、頼らないのでなく、「依存しない」ということ。
自分という個を強く、しっかりと持つ。
そのうえで相手を(相手のマイナス面も含めて)信じる、頼る。
そして、その結果は全て自分で負う。
自分がいつも自分でいられる。
なかなか難しいですが、そうなっていきたいなと感じました。
安倍首相、長い間お疲れ様でした。