業務部の下村です。
夏ですね。暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
昨今、メンタルヘルス不全に関連する労務相談が増えてきています。
メンタルヘルス不全の対策として4つのケア「セルフケア(自分自身で行うことのできるケア)」「ラインによるケア(管理監督者が行うケア)」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア(企業の産業医、保健師や人事労務管理スタッフが行うケア)」「事業場外資源によるケア」があります。
その中でも特に重要とされているのがセルフケアとラインケア、つまり日常意識的に行うケアになります。
セルフケア、ラインケア、言葉はよく聞かれていると思います。
しかし、なかなか現実に上手くいっていない声もよく聞かれます。
語弊を恐れずに言えば、決して難しい知識はいらないと思います。
例えば、下記のようなことについて自分で思い返し、相手のことを想い考えてみる。
それだけでいいと思います。
・今やっている仕事は、「やらされている仕事」か「自分からやっている仕事」か?
・その仕事のゴールや区切りは見えているのか?
・取り組んでいる仕事で“表には見えない”仕事・その貢献を分かっている人はいるのか?
・愚痴を言ったり、馬鹿話ができる相手はいるのか?
・趣味やテレビなど、以前関心があったことに関心がなくなっていないか?
・休みの日など布団から出られなくなっていないか?
・身だしなみや服装、食事、体型など変化してきていないか?
・口数が減ってきていないか?
・普通に街で働いている人が、キラキラ眩しく輝いて見えてきているか?
そして、
・1日、1週間がとても長く感じるか?
自分で振り返れるなら、自分で上記に当てはまると気付いているならまだ大丈夫。
相手を想い考えて、その相手が「しんどい、疲れた」 と愚痴や弱音を(意識的、無意識にでも)言っている間はまだ大丈夫。
自分で振り返れなくなった時、相手が弱音を言わなくなった時が本当に大丈夫じゃないとき。
自分で振り返れて“思い当たる”間に、相手が「しんどい疲れた」と言っている間に、自分でコントロール、相手に声かけしておく必要があります。
その、“心のSOS”を発している時を、自分でも、相手にも逃さない。
その時は「あっという間」に過ぎてしまいます。
自分で気づきストレスをコントロールする。
これは実際かなり難しいことです。
やはり自分自身で心のSOSを無意識に発して、自分もかなり悪い状況になっていることまでとは気づかず、周りもそこまで意識できず(せず)にスルーしてしまうことが多いと思います。
また、周りに相談しても、聞いてもらえなかったり、説教されたりして、逃げ場がなくなる場合もあるのではないでしょうか。
逃げ場がなくなる、自分でコントロールができなくなる、それはかなりきつい状態に追い込まれます。
わかってあげてる、わかってもらえてる人が一人でもいたら、最悪なことはおきにくい。
声をかける、そして“そっと”寄り添う。
― “そっと”。
それだけでも、その人にとって大きな助けになります。
ー人は人の中で生き、人によって傷つき、人によって癒される。
そして人の中で生きていく。
メンタルヘルス不全(またはその前段階)の状態から、立ち直るのは、最後は自分自身。
周りの助けがあっても、最後に立ちあがるのは自分の脚、自分の力。
自分でコントロールできなくなる前に、助けを求めよう。
誰か一人でもいい、その人に“そっと”寄り添ってほしい。
そして、自分で感情を整理して、自分の脚で立ち上がること。
そしてまた、自分の脚(力)で歩いていくこと。
そして自分を変えていくこと。
「生きることは変わること 変わっていくこと」
少しずつ。着実に。