業務部の三浦です。
これまでの経験から中小企業の多くでは経営理念はあるのに人事理念や人事方針を取り決めておられないように思います。
経営理念の一部に人事理念的文言が含まれているケースもありますが、従業員にダイレクトにメッセージをお伝えするためにはあまり効果的ではありません。
私が人事制度構築(再構築)のお手伝いをさせて頂く際には、まず経営層の方々と自社の人事に対する会社の考え方について長い時間を割いてディスカッションします。
・将来的にどんな人を育てないのか?(期待するキャリアプランとは?)
・どんな人を評価するのか?
・逆にどんな人を評価しないのか?
・何に対して給料を支払いたいのか?(pay for ○○?)
・ビジネスに直結しない社会貢献活動等をどう考えるか?
等々。
賃金、目標管理、人事評価、アセスメント 等々。
最初に人事理念をきっちり定めておけば、人事制度の構築で後々なにか選択に悩むことがあったときにも
理念に立ち戻り適正な判断を行うことができます。
例えば、「積極的」というキーワードが人事理念に含まれているのであれば、人事評価基準書、目標管理シート
には「積極的」から連想される文言がいくつか並んでいるはずです。
是非、自社の人事理念を構築してください。
【ご参考】
株式会社 島津製作所 人事方針 『期待される人材像』
①高い志と長期的な展望を持ち、前例・慣習にとらわれず、自由な発想と進取の精神で、新しい分野に失敗を恐れず、果敢に挑戦する。
②スピード重視で行動し、一旦取り組んだら、責任感を持って愚直に取り組み、やりきると共に、過程や経験を次に活かす意識を持つ。
③成長意欲を持ち続け、担当組織の総合力の継続的な強化・向上に努め、また顧客や競合に負けない知識や技術を獲得し、その道(担当部門・組織の運営、担当分野・専門分野)の第一人者を目指す。
④顧客や社内外の関係者の期待に誠実に応える努力を惜しまず、信頼醸成に努めると共に、人との連携を大切に、私心無く、全体最適のために行動する。