外勤業務部の三浦です。

物価高に伴いインフレ手当を支給する会社が増えています。

一般的に「物価手当」や「地域手当」と呼ばれる月例手当(就業規則等に定めて毎月決まって支給される手当)は、勤務地に応じた家賃や生活費負担の社員間ギャップを緩和するために支給するものであり、支給額の見直しルールがあったとしても支給の廃止は基本的に予定せずに設計します。

一方、今回のインフレ手当はリーマンショック時等と同様に、基本的には遠くない将来の廃止を想定した手当になります。

ロバートウォルターズジャパンが首都圏、関西圏を中心に国内で働く会社員864人と国内196社を対象に行った調査結果では、「インフレ率以上の給与アップが無い場合には転職を検討する」とした会社員が81%であったのに対し、「今後1年間で、インフレ率を上回る平均給与の引き上げを行う予定がある」とした会社は48%に過ぎませんでした。

即ち、春闘に先行してインフレ手当の支給を表明している会社は、労組からのベア要求に対応できない事への人材流出懸念に布石を打っている可能性が高いのではないかというのが私見であり、現に円安の恩恵を受けて業績を伸ばしている会社からはインフレ手当の支給が表明されていないように思います。

インフレ手当を評価する際には、月例給の昇給や、賞与一時金の支給額を含めて総合的に見ていく必要がありますね。