業務部の大久保です。

 

最近になって、小学生の頃からの幼馴染である友人と頻繁に連絡を取る機会が増えました。私は小学生の頃から剣道場に通っており、中~高校も剣道部だったのですが、その友人も同じ道場で、中学校では同じ剣道部で一緒に稽古をし、その後は別々の学校へ進学しましたが、二人とも剣道部だったので試合会場で顔を合わせることも多く、学生時代は定期的に連絡を取り合っていました。

この数年で友人は結婚し、子どももうまれ、年賀状だけのやり取りとなっていたところ、思わぬところで縁があり、また連絡を取り合うようになりました。近況を報告しあう中で、「夫婦ゲンカなんてしないの?ずっと一緒にいたらストレス溜まることない?」という様な話題になったのですが、その時に友人から言われた言葉がとても印象的でした。

「そりゃイライラすることもある。でもそんな時は冷静になるまで黙っているなぁ。感情にまかせて言葉に出してしまうと、それって無かったことにできないやろう?相手の中に残ってしまう。だから、お互いに黙ってる。」と話してくれました。それを聞いた時に、私は、あーそんな事考えたこともなかった…。と、恥ずかしいような情けない気持ちになるのと同時に、あの友人がこんな大人みたいな事を言うようになるなんて、少しジーンとしました。

物事を解決し前に進める必要がある時に、考えを言葉にして相手に伝えることを求められる場面が多いように感じますし、実際にその方が表面上は思い通りに状況を動かせると思います。ですが、敢えて伝えないという方法を選ぶことで、はっきりと伝えきるよりも共有できる信頼感のようなものが生まれるのだろうなと思いました。身近な人であるほど、分かってほしいという気持ちもあり主張したくなりますが、私も状況に応じて『思いやりの沈黙』を使いこなせる人になりたいと思います。会わない間にすっかり大人になっていた友人の言葉に、日頃の自分の振舞いなどしみじみと省みる機会となった出来事でした。