業務部の三浦です。

 安部内閣が加計学園問題で窮地に立たされている。
問題が深刻化したのは初動のミスで、これにより対応が後手後手になったと指摘されている。

インターネット社会により、「問題発生 → 初動ミス → 炎上」という現象が、日常的に且つ非常に短期のサイクルで散見されるようになった。
これにより「初動対応」の重要性が以前に増して特別に注目されているように思う。

労使トラブルでもそれを極力穏便に解決するためには「初動」は重要で、勿論、私も様々なケースを引き合いに顧客にそれを説明することがある。
ただ、やはり初動はあくまで燻ぶった火を初期段階で消す作業に過ぎない。
それよりも遥かに重要なのは火が燻ぶる状況を作らない努力だ。

初動は問題が起きて初めて必要となる取組であり、問題が起こる原因(前提)となっている個、個と個の関係性、個と組織の関係性、文化、慣習等々に対する重要性が「初動」がフォーカスされすぎることによって希薄化されていってはならない。

初動対応でその後が左右されるような問題であれば、それじゃそんなに大したことではないのかもしれない。テクニックの領域だからだ。

何かが起こる前に、何も起こっていないときに、どんな取り組みを行い、それを維持していく努力をするか。

企業が労務管理を行う上では、それが何より重要だろう。