業務部の三浦です。

 校庭でサッカーのフリーキックの練習のためにゴールに向かってボールを蹴っていたところ、誤って反れてしまいボールが道路に飛び出し、オートバイに乗った85歳の高齢者がそのボールを避けようとして転倒。
左足のスネの骨折等を負いその際の負傷が原因で被災者亡くなったとして、遺族が子供と両親を相手に損害賠償請求を起こしたという事件がありました。

  骨折が原因で死亡したという遺族の主張の根拠は、以下の通りです。

1)事故前は自宅で野菜やミカンを作っていたのに入院するとそれが不可能になる
2)生活に刺激が少なくなる
3)従前からの脳萎縮等が進行
4)神経が麻痺して物を飲みにくくなった
5)食べ物・唾液が誤って器官に入ってしまい肺炎を起こして亡くなった

 これに対し大阪高裁は、

①校庭のネットフェンスや門扉の高さが120㎝ほどしかなく、ボールを蹴れば飛びだすことは想定できた(監督義務を怠った両親が責任を負担)
②骨折と死亡に因果関係がある(但し、賠償額は損害の4割)

とし、両親は約1200万円の賠償義務を負うこと判示しました。(最高裁に控訴中)

 両親が「監督義務を怠った」という点については、「周りに危険を及ぼさないよう注意して遊ばなければならないことを理解させていなかった」とのこと。
学校のグランドで普通にゴールに向かってサッカーボールを蹴っていたことが原因で親が1,200万円もの損害賠償を負わなければならない・・・というなんとも衝撃的な事件です。

 最近では、自宅前の道路を公園のごとく利用して遊びまわる「道路族」が社会問題になっているようです。

 子供のしつけは勿論のこと、いざという時の為の個人賠償責任保険の内容をもう一度見直してみてはいかがでしょうか?