業務部の三浦です。
野村総研によれば、AI社会では「芸術、歴史学・考古学、哲学・神学などの抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、人工知能等での代替は難しい傾向にある」としています。
但し、これは生成AIの登場前の主張であり、大量のデータからパターンや関係性を学習し、新しいコンテンツを生成する技術である生成AIの登場後は、特に「哲学的思考」が重要になるとの主張が増えたように感じます。
ビジネスの場での哲学は、「各人の経験から醸成される物事を統一的に把握する理念」などと定義されます。
生成AIに、哲学的思考別をパターン認識して、類型的に解を導き出すという事は困難でしょうし、その哲学の評価は発信者そのものの評価と一体的ですから、例え結果として適切な解を示せたとしても、人々が生成AIの哲学的類型に基づく解を継続的に信頼するという事には至らないでしょう。
「働くとは?」、「評価とは?」、「賃金とは?」、「管理職の役割とは?」、「社会保障とは?」、「会社とは?、組織とは?」、「企業の使命とは?」、「リーダーシップとは?」・・・・。
我々は幸いにも哲学的な概念の宝庫のような業界に属しています。
生成AIと共存し、並走できるような、労務分野における哲学的思考をよりいっそう深めていく必要があると、危機感をもって感じています。